TSR-2 Walk Around(4)
TSR-2(その4)
64年に政権についた労働党も「産業技術の保護と外貨支出の抑制」という点では保守党と同じスタンスでしたが、技術の保護=機体の自主開発を許す経済状態ではなかったようです。外貨支出の抑制という点からも、単純にアメリカの機体を導入する(=お金がアメリカへ出て行く)事を許容する余裕もありません。財政再建には軍事費の削減が必須だが、単純に海外調達に切り替えてしまえば外貨支出が増えてしまう。政府は難しい舵取りを迫られます。
左水平尾翼付近から機首方向を見る
左後方
水平尾翼は差動式のフライングテールでロール制御も受け持ちます。
左主脚
右主脚(裏側から)
胴体下面
結局のところ。政府は国内開発断念の結論を出し、技術保護はエンジンなど特定分野に絞る決定を行います。アメリカからの強い圧力が有ったことは想像に難くありませんが、事実上そこしか国内産業を生き延びさせる道がなかったことも事実です。この時点でTSR-2の命運は決まりました。
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